寄せ灯篭(キリシタン灯篭)
和洋折衷の寄せ灯篭「織部灯篭(キリシタン灯篭)」
天文18年(1549年)にキリスト教の伝来以降、織部流茶道の祖である吉田織部正重然が、天正年間(1573年~1592年)のキリシタン全盛時代に信者や茶人の好みに合うように創案したものと言われ、それまではこのような形の灯篭はなかった。
青岸寺の寄せ灯篭の特徴は、竿は織部灯篭、字形はなく彫像のみ、中台は灯篭の笠を逆にして使用した六角形、各々角のところに小穴があり、もとは風鈴のようなものが釣り下げられていたと思われる。中央部に作り出しがあり、その上に六角の火袋があり、各々の面に地蔵尊が浮き彫りされ、六体地蔵となっている。この六体地蔵の部分は鎌倉時代の物ではないかと推測される。笠は一見、蓮華寺風であるが、抽木形の折衷にも見える。屋根の刻みだしは三段なって、ゆるやかな勾配を見せ、周辺は六角形をしている。宝珠は一般的な形である。
青岸寺庭園が作庭される際に、持ち運ばれて置かれたようだが、どこから持ち運ばれたのかは不明である。
※青岸寺パネルより参照
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青岸寺庭園に少し異彩を放ち、庭園を彩っている灯篭です。既存の概念に囚われない禅宗の庭園らしく実に自由な灯篭です。青岸庭園を観賞しているとそれまでの基本を守りつつ、自由奔放に作庭されているのがわかります。作庭者の彦根藩士、香取氏の確かな技術と興欣和尚の禅僧らしい発想が合わさって、珍しい発想が沢山ちりばめられています。二人が本当に楽しく議論をして庭を作庭されているのが想像できる庭園ではないでしょうか。
上が地蔵様、下がマリア像と既成概念を突き抜けている灯篭、観賞してみてください。
住職 永島 匡宏 合掌
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