ご先祖様に感謝と仏道修行の「彼岸会」
「暑さも寒さも彼岸まで・・」とは昔から言われていますが、今年は既に5月並みの暑さが続いています。米原のあたりでは3月中にも雪が降る事がありますが、今年は積雪の心配はなさそうです。
さて、皆様は「彼岸会」をご存じでしょうか。特に春(3月)秋(9月)に全国の寺院で近隣寺院を迎えて檀信徒と共に厳修する仏教行事です。また彼岸期間にはお墓参りなどに行くなどいたします。彼岸会の行事は古くは飛鳥時代まで遡ると伝えてれいます。
彼岸とはサンスクリット語で(パーラーミター=波羅蜜)を漢訳した「到彼岸」からきています。
仏教でいう彼岸とは大きな川が流れているとして自身に対して向こう側を指します。そして、向こう側とは煩悩からなる苦しみや迷いから解脱(消える)した悟りの境地(仏)を意味します。反対に今いる私たちの世界は迷いや苦しみの世界「此岸(こがん)」といいます。
彼岸会は此岸(煩悩からなる苦しみ迷いのある世界)から彼岸に至る為の仏道修行期間を意味しています。
仏教の彼岸の思想と日本にある先祖崇拝や自然振興などの思想が合わさって、あの世=彼岸となりご先祖様供養に繋がっていったのでしょう。
亡くなられた方(ご先祖様)が彼岸に行く=仏様の存在になるのはなんとも日本人らしい思想です。
※現在の仏教葬儀はこのような考え方が主流となっているかと思います。
ですから、今日行事られている彼岸会法要は一つは檀信徒の仏道修行(此岸から迷いや苦しみのない彼岸に至る)と、ご先祖様(彼岸=あの世で仏となった存在)に報恩感謝するご法要になるわけです。(現在の認識では後者の考えが多い気がいたします。)
ですから彼岸会の期間は、自身の生き方を鑑みながら仏道修行をして、ご先祖様にお供物やお花を供えて報恩感謝する事が日本の彼岸会になります。
自身の仏道修行にもなるし、ご先祖様のご供養にもなると一石二鳥の法要(怒られますね(笑))です。是非、菩提寺で彼岸会を執り行っているのであればお墓参りだけではなく、参加して下さい。
住職 永島 匡宏 合掌
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