お客様は神様?仏様です/たぬき和尚との小話シリーズ
たぬ吉:住職‼ちょっと聞いて下さいよ。
住職:どうしたのよ。顔真っ赤にして。
たぬ吉:昨日、お蕎麦屋さんにいってスペシャルきつね蕎麦頼んだんですよ。
住職:(たぬきなのに)…たぬ吉君油揚げ好きだもんね。油揚げが通常2枚が5枚になるスペシャルメニューだ。
たぬ吉:そうなんですよ。僕は毎日コツコツ貯金を貯めて週一回の楽しみにしているメニューですよ。
それがワクワクして待っていたら、いざ目の前に来たのはなんだと思います?
住職:なんだったの?
たぬ吉:スペシャルたぬき蕎麦だったんですよ~‼
住職:(笑)
たぬ吉:僕は直ぐに店員さん呼んで、メニュー違うので変えて下さいって頼んだら、その店員、なんて言ったと思いますか?
住職:な、なに(笑)
たぬ吉:「すぐ取り替えますね」と言った後、小さい声で「紛らわしいな~」ですって‼ひどくないですか。好きな店でしたけど二度といきません。口コミも☆1です。
住職:店員さんも悪かったけど、たぬ吉君も少し怒りすぎじゃない?
たぬ吉:住職は僕のきつね蕎麦への愛を理解してないんですよ。それにお客様は神様なのに、失礼です。
住職:(やっぱり少し面白いな)…気持ちは凄くわかるよ。でもね…ここで少しお客様は神様という表現に少し違和感があるんだよ。
商売する側が「お客様は神様です」と思うのは素晴らしいことだと思うよ。
たぬ吉:そうでしょ‼
住職:でもね、
たぬ吉:なんでしょう?
住職:商売される方からの視点はそれで良いでしょう。しかし、私達消費者は「神」ではありません。偉くもなんともありません。ここを勘違いされている方があまりに多いような気がします。どこまで、「人」対「人」の関係です。一定のサービスに対して、対価を支払う次点で契約は成立しているわけです。勿論、商売側は接客も込みで考えています。だからと言って、消費側の姿勢も考えなければいけません。消費者側は接客も込みで店を選ぶ自由がありますから、嫌な気持ちになれば選択はいくらでもしていいのです。
たぬ吉:言っている事はわかりますけど…。
住職:だから私達青岸寺の参拝者には「お客様は仏様です。ただし、私も仏様です」と説明します。
私も仏様、あなたも仏様、仏様同士だから、お互いに敬意を持ちます。自然と尊い存在として敬い、共にこの世界に住んでいる人間として、繋がり、和顔愛語で接し合います。そこに上下はありません。
たぬ吉:なるほど。それなら、接客を受ける側、する側とも嫌な気持ちはしないですね。
住職:そうなんです。相手は同じ仏の心をもった仲間であります。最近は少しお互いにピリピリしすぎな感じがします。もっと本質的な「人」と「人」で相対する場合は相手への敬意が必要であります。
たぬ吉:たしかに。最近は少し、過剰に接客される事に慣れ過ぎていて、勘違いしていたかもしれません。普段、知人や友達に対して、そんな横柄な態度はしませんもんね。
住職:今回のたぬ吉君の例でも、相手が注文を間違えた。その際に、たぬ吉君が間違いを指摘する。ここは問題ないでしょう。この際にに店員さんは素直に謝り、「直ぐ新しいのをお持ちします」と誠意もって謝罪し、たぬ吉君も「もったいないのでこれで大丈夫ですよ」と許し、店員も「本当に申し訳ありませんでした。」などお互い心を込めて対話すれば、気持ちのいい時間になります。
たぬ吉:その時にきつね蕎麦食べられないのは確かに悔しいですが、別に死ぬわけでもないですしね。住職さん的に言えば、その心を動かしているのは自分だよって言いそうですね。
住職:私も人間だから、参拝者の方で高圧的な態度や辛辣な言葉使いの方などに相対すると、対応が億劫になってしまい、必要以上にその方に時間を割こうと思わなくなります。しかし、反対に、とても丁寧な対応をしていただくと、こちらも参拝者にとってより良い情報やおススメなどをお話したくなります。ですので、お客さんの方も損している人と得している人ができますので、基本的には、相手も仏様だと思って接すれば、相手も仏様として対応してくれることが多いと思います。
たぬ吉:外国の方も日本の接客には感動される人は大変多いそうです。
本当に私の主観的な印象では、外国の方の参拝者の方の方が相手に敬意をもって接してくれている印象があります。勿論日本人にも沢山素晴らしい人はいます。ただこれは、日本人として、誠に残念な事です。(僕はたぬきですが)日本人は接客もお客様としても素晴らしいといって胸を張りたいですね。
住職:そうだね。だからこそ、青岸寺では「私も仏、あなたも仏」として対応しております。青岸寺は仏の心で参拝していただければ、とても素晴らしいお寺です。本尊様、庭園、建物、喫茶。仏性で世間を感ずれば、みな仏性です。是非、他のお店でもお客さんとして行く時は、少しでも思い出していただけたら幸いです。
たぬ吉:わかりました。仏の心で、今一度お蕎麦屋さんで今の話をしてきます。そして、油揚げ二枚サービスしてもらいます。では。
住職:行ってしまった。結局そこなんだね(笑)
住職 永島 匡宏&たぬ吉和尚 合掌

この記事へのコメントはありません。