たぬ吉和尚の青岸寺案内 其の五「名勝青岸寺庭園」

皆さんこんにちわ。今日は青岸寺と言えばやはり「庭園」という事で「名勝青岸寺庭園」をご紹介します。
青岸寺庭園は昭和9年に日本庭園研究者の重森三玲氏の高い推薦を受けて、滋賀県で一番最初に名勝庭園に登録された庭園の一つです。
作庭されたのが1678年。青岸寺三世住持興欣笑堂和尚の仏縁にて、彦根藩士の香取何某によって作庭された、回遊式枯山水庭園です。庭園は観音菩薩がお住まいになられるとされる補陀落山の世界を表現しています。

枯山水は通常白砂や砂利などを水に例えるのが一般的なのですが、青岸寺庭園は苔(杉苔)を水に例えているのが特徴の一つです。また、非常に多くの自然石が使用されているのが特徴でもあります。
右手の奥にある三石は三尊石と云われるもので、通常は真ん中の石が奥(釈迦牟尼仏)、両脇(お釈迦摩の十第弟子)が手前にあります。これは逆になっています。この場合は「逆三尊石」となります。真ん中が「久遠実成尊」両脇が「観世音菩薩・勢至菩薩」となります。
そして中央にある中島は蓬莱島(神仙思想)であり、別名「鶴亀島」であります。通常は鶴の島、亀の島を別々に造るのですが、青岸寺のサイズもあるのか、まとめられていて、非常に縁起のいい島です。また、鶴亀島の一番高い石は「観音菩薩」がお立ちになられている大変有難い島です。
他にも、主だった36石にはことごとく仏名があるとのことです。これはまだ住職さんも参究しているようで、恐らく妙法蓮華経観世音菩薩からの引用だという説が濃厚です。

青岸寺庭園具象図です。中々面白いですね。
そして、青岸寺庭園の最大の特徴と言えるのが、ある一定の雨が降ると、山の地下水が流れてきて、地中下にある水脈に流れます。そうすると地上に伏流水となって溢れて、苔の上に水が溜まるようになっております。
これは意図的に作庭されているらしく、江戸時代前期~中期の作品としては、全国でも少数例しかない二面性のある庭園です。


興欣和尚は遊び心が非常にあった和尚で、全国でも稀有な庭園で、誠に素晴らしい作品です。
江戸時代には米原に訪れた者は必ず寄るべしと謳われた庭園で、歴代の住職さんや、檀信徒、庭師の方々などが、長い年月をかけて護られている、後世に残されていくべき名庭ですね。
つい最近でも、様々な庭園のランキングで評価していただいています。数年前の日経新聞でも、雨の合う庭園ランキングで1位にしていただいたなど、庭園好きには古くから高く評価されています。
春夏秋冬どの時期にきても良い庭園です。春は新緑、梅雨は苔が青々と輝きます。秋も紅葉に色を染めます。冬は雪吊りを施し、雪が降ると山水画の世界のように美しい風景を観賞できます。
また禅庭らしい、黙して語らず、庭園は何も語ったりはしませんが、雄弁に心情に訴えるものがあります。
皆さんも是非、米原にお越しの際は、青岸寺庭園を見に来て下さいね。
たぬ吉和尚 合掌
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